2019-01-01から1年間の記事一覧

Soft Machine -『Third』を聴いてみた

そもそも、Soft Machineって名前だけは知っていたけど、しっかり聴いたことのないバンドのひとつだ。ブライアン・イーノへの影響が云々ということを耳にしたので、今回は名盤と名高い『Third』を聴いてみる。ジャケットは質素すぎて何の情報も与えてくれない…

映像の、映像による、映像のための賛歌:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた。テレビ俳優として人気…

「客体」と「主体」が一致するとき:『旅のおわり世界のはじまり』

カンヌ国際映画祭で受賞を果たした「岸辺の旅」など国内外で高い評価を受ける黒沢清監督が、「散歩する侵略者」「Seventh Code」でもタッグを組んだ前田敦子を主演に迎え、シルクロードを舞台に、日本とウズベキスタンの合作で製作したロードムービー。取材…

夢についての映画、映画という夢:『アイズ・ワイド・シャット』

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ピクサーの「真摯さ」という狂気:『トイ・ストーリー4』

おもちゃの世界を舞台に描くピクサー・アニメーションの大ヒットシリーズ「トイ・ストーリー」の第4作。ウッディたちの新しい持ち主となった女の子ボニーは、幼稚園の工作で作ったフォーキーを家に持ち帰る。ボニーの今一番のお気に入りであるフォーキーを仲…

歴史の光で絵画を照らす:高階修爾『近代絵画史 上・下』

歴史を学ぶときに大事なのは「流れ」だと、高校の教師に散々言われた。個々の事象だけを覚えたところで、役に立たないと。それはテストで点を取るための方策に過ぎなかったのかもしれない。しかし、本書を読むと絵画の歴史の「流れ」が生む恐ろしいまでの束…

はじめのあいさつ

私の願いは常に「圧倒されること」であって、西田幾多郎の言う「純粋経験」を知ることである。それが変わることは、これまでもこれからもおそらくないだろう。だから私は、映画や本、音楽を節操もなく貪って生きていくことにしたのである。数打ちゃ当たる戦…